STUDIO BEAR BIRD

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2018.10.22
空海月の心  ヨメちゃん日記

植林され放置された暗い木々の間
豪風雨によりなぎ倒された林床は
太陽の光が舞い降り、風がそよぐ
大地と太陽の交わりは目には見えない生命粒子を新たな目に見える芽生えとして生じさせた
この地に適した、この環境で生きることのできる生命

それは当然の理であり
必然の事
これが自然なのだ

この一場面は私に激震を与え
いとも簡単に凝り固まっていた概念を砕いた

千葉から大阪へと移り本格的に活動が始まった今年
造園の傍、農作業や自邸の改修と身の回りの環境を整えることがメインとなった
その間に起きた台風による町の被害や長期の停電、その復旧
また北海道での地震

然るべきままに右へ左へと揺さぶられる
抗うことなどは到底できない
現代文明においても自然の力は絶対であり
人間の営みも自然の一部であることが示された

文明の移り変わりは人間の営みのみで成り立っているのではなく
生まれる人、文化、歴史、生み出される技術、物においても
風土(その地の多様な生命力)や太陽、地殻の運動、気象は当然関係していると思うのです

自然の動的平衡とともに生命活動も変化している
とすれば今現存している事物(善も悪も)
全てに必然性があり生まれてきた同じ生命ではないかと感じるのです

今自分がどの時を生きているのか、何をすべきか
それは常にバランスを取るように変化しています

拠点を移す前、大地の再生活動に関わっていたこともあり
山や森、川や大地、目にうつる景色に嘆きと叫びを感じることもありました
しかし自然はそんなにやわではないのだと、生命は傷つき、傷つけながらも前を向き進化成長しているのだと
今は感じています

庭とは何か、造園とは何か

この道を歩み始め10年目、まだ答えは出ません
同じように生活の場、町や、森、山、川、海のあるべき姿もこれと断言することはできなくなりました

人の営みも含め自然なのだと思う
人が行き過ぎ、滞りを生むのであれば
自然は簡単に破壊し巡りを再生するでしょう

生命の根源を目指し変化すること
それこそが安定と感じます

この手が生み出す物がはたして必然なるものか
空のごとく果てしなく広く、海のごとく果てしなく深い、月のごとく歳月を越えた中に尋ねます

ヨメちゃん日記 作庭記 つづく